校長室

「若い」ということ

 「若」という字は「苦」に似ているような気がします。「若」の「ノ」の部分をまっすぐに起こすと「│」になり,ときめきの文字「若」が「苦」に変わってしまいます。   「青春と いう字を書いて横線の 多いことのみ なぜか気になる」という短歌があります。歌意は不明ですが,確かに横線が多いような気がします。青春には横やりが入ることもあれば,横道にそれることもあります。人の行く末は,順風満帆とはいかないのが常です。「若」と「苦」は表裏一体なのかも知れません。思いかなわず一人悩み苦しむこともあると思います。そんな時「ノ」の字のように,ちょっと気持ちを横たえてみてはどうでしょうか。また違った風景が見えるかも知れません。若い時代には,それが許される十分な時間が用意されています。月並みですが,それが「若い」の特権なのです。
伝統ある結城南中学校を巣立っていった卒業生の皆さん,そしてそれぞれ進級する1・2年生の皆さん,皆さんは間違いなく若い。新型コロナウィルス禍の出口はまだ見えてきませんが,ときには嵐襲うとも,失敗の「苦」を恐れず,心に花と太陽を携え,自分の目標に向かって愚直に邁進してほしいと思います。春遠からじ・・・。