校長室
食育に思うこと
「伝説の家政婦」タサン志麻さんをご存じでしょうか。恥ずかしながら,私も先日のテレビ番組「予約が取れない伝説の家政婦」を見るまで,全く知りませんでした。最高級の食材を扱う一流の料理人になるより,普通の台所で家庭料理を作りたいという思いから,約15年勤めた有名フランス料理店を退職して,家政婦になったといいます。夫はフランス人で,フランス人は何を食べるかより,どう食べるかに重きを置いていると言います。番組の終わりに志麻さんは,「夫や他のフランス人から,家庭でゆっくり食事をすることの大切さを教わった。毎日1時間でも,家族と会話しながら食事できれば人生が変わると思う。」と言っています。本校では茨城県教育委員会から,平成27・28年度に学校給食推進校の指定を受け,食育についての研究を続けてきました。しかし,今回志麻さんのお話を聞いて,なんか食育の一番大切な,そして本質的な部分を忘れていたような気がします。このお話の内容を,本校だけでなく四川地区の皆さん全員で共有できたとき,研究推進校としての役目が終わるのかも知れません。志麻さんは,「料理を褒められるより,家族で楽しくごはんを食べられたと言われた方がうれしい」とも言っています。そんな家庭,そして結城南中学校でありたいものです。
結城市立結城南中学校長 黒田 光浩