校長室

『大過なく・・・』

「1学期も大過なく過ぎようとしています」。この「大過なく」,終業式や修了式,離任式等でよく耳にする言葉です。「大過:大きな過失,大変なあやまち」と,広辞苑には出ています。では,どこまでが大過でどこまでが小過なのか。7/15付茨城新聞には,中学校部活でいじめ,中3わいせつ動画容疑で書類送検,中3窃盗容疑で再逮捕,という記事が掲載されています。その他県内では,いじめ問題や教員の不祥事等も報告されています。これらの事案を大過と呼ぶのなら,本校では「大過なく」という言葉が当てはまるかもしれません。しかし,大過には,その要因となる非常に多くの小過が隠れています。人知れず小過に悩み,苦しんでいる生徒がいるかもしれません。我々職員は,今後もその小過を見逃すことなく,常に生徒や保護者の皆様,そして地域の皆様の声に耳を傾けながら,日々の教育活動を推進して参りたいと考えております。「夏休みが大過なく過ぎました」と,2学期の始業式で話せるように,生徒の健康と安全を願うばかりです。
 「声なき声を聴き分ける耳,かすかな動きを見逃さない目,肌を通して伝わってくるものをすくいあげる感性」教育職員として大切にしたい言葉です。
結城市立結城南中学校長 黒田 光浩