校長室
美しく生きるとは? ~行為の意味~
「『思い』は見えないけれど『思いやり』は見える」この言葉を覚えているでしょうか。平成11年3月11日、あの東日本大震災が発生した後,どうにもならない絶望感の中,毎日テレビCMで流れていた言葉といえばご記憶の方が多いのではないでしょうか。しかし,この言葉が,宮澤章二の詩「行為の意味」の一節だと知っている人は少ないと思います。大会やコンクール・展覧会、そして学校行事等の中止や自粛・・・。青春を謳歌するはずの中学生にとって、今だ先行きが見えなコロナ禍は,あまりにも厳しい現実かも知れません。自分の感情をコントロールするにも相当な努力が必要な昨今ですが、そんな時だからこそ、他人を思いやる積極的な行為によって,より美しく生きていってほしいと思っております。下記の詩を思い出し、3.11を乗り越えたあの強い心を、もう一度見せて
ほしいと思います。負けるな、南中生!
あなたの「こころ」はどんな形ですかと ひとに聞かれても答えようがない
自分にも他人にも「こころ」は見えないけれど ほんとうに見えないのであろうか
確かに「こころ」はだれにも見えないけれど 「こころづかい」は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の「思い」は見えないけれど 「思いやり」はだれにでも見える
それも 人に対する積極的な行為だから
あたたかい心が あたたかい行為になり やさしい思いが やさしい行為になるとき
「こころ」も「思い」も初めて美しく生きる それは 人が人として生きることだ
結城市立結城南中学校長 黒田光浩