いじめ防止基本方針
いじめ防止基本方針
結城市立絹川小学校いじめ防止基本方針
はじめに
このたび,いじめ防止対策推進法が成立し,平成25年6月28日に,平成25年法律第71号として公布された。
この法律は,いじめが,いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し,その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず,その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み,いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するため,いじめの防止等のための対策に関し,基本理念を定め,国及び地方公共団体等の責務を明らかにし,並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに,いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めるものであり,公布の日から起算して3月を経過した日から施行することとされた。
今回公布された法においては,国に対し,いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針の策定を求めているとともに,地方公共団体に対しては,いじめ防止基本方針を参酌し,その地域の実情に応じた同様の基本的な方針の策定に努めるよう求め,また,学校に対しては,いじめ防止基本方針又は地域いじめ防止基本方針を参酌し,その学校の実情に応じた同様の基本的な方針の策定を求めている。さらに,学校の設置者及びその設置する学校が講ずべきいじめの防止等に関する措置や,重大事態への対処等について規定している。
「結城市立絹川小学校いじめ防止基本方針」はこれを受け,絹川小学校のいじめ防止推進に向け策定した。また,平成29年6月14日に茨城県教育委員会より「いじめ防止対策推進法に基づく対応の徹底について」を踏まえ,基本理念(4)~(9)を追加した。
1 目的
いじめ防止等(いじめの防止,いじめの早期発見,いじめへの対処)のための対策の基本事項を定めることにより,いじめ防止等の対策を総合的かつ効果的に推進する。
2 いじめの定義(「いじめ防止対策推進法」から)
児童生徒に対して,当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって,当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの
3 いじめ防止等の基本理念
(1) いじめの防止等のための対策は,いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み, 児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう,学校の内外を問わずい じめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。
(2) いじめの防止等のための対策は,全ての児童等がいじめを行わず,及び他の児童等に対し て行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため,いじめが児童 等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として 行われなければならない。
(3) いじめの防止等のための対策は,いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが 特に重要であることを認識しつつ,国,地方公共団体,学校,地域住民,家庭その他の関係 者の連携の下,いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。
いじめが全ての児童に関係する問題であることに鑑み,関係者との連携を図りつつ,学校 全体でいじめ防止等(いじめの防止,いじめの早期発見,いじめへの対処)に取り組む。
(4)いじめに関する情報が教職員に寄せられたときは他の業務に優先して取り組む。
(5) いじめであるかの判断はいじめられた児童の立場に立って考えること。
(6) いじめを認知した場合はすみやかに結城市教育委員会に報告すること。
(7) いじめがあっても本人が否定する場合があることもふまえ,様子きめ細かく観察するなどし
て対応すること。
(8) いじめの重大事態に関する情報があったときは学校は重大事態が起こったものとして調査・
報告を行うこと。
(9) いじめに関する情報を教職員が抱え込み,いじめ不登校対策委員会に報告しないことは法律違反にあたることを全職員で周知する。
4 目標
いじめの防止等の取組については,以下の5つの取組みの徹底を図ることを本校の取組目標 とする。
① 未然防止への取組の徹底
② 早期発見への取組の徹底
③ 早期解消への取組の徹底
④ 関係機関との連携の徹底
⑤ 教職員研修の充実の徹底
5 いじめ・不登校対策委員会委員会の設置
いじめ防止等(いじめの防止,いじめの早期発見,いじめへの対処)に関する措置を実効的に行うため,いじめ・不登校対策委員会を組織する。
(1) 本委員会の構成員は,校長,教頭,教務主任,生徒指導主事,保健主事,特別支援教育コーディネーター,養護教諭,ブロック代表,担当学級担任,その他校長が必要と認める教職員とする。
(2) 本委員会は,月1回定例会を開催するほか,必要に応じて臨時会を開催する。
(3) 必要に応じて外部関係者とも連携して事案に対応する。
(外部関係者)市福祉課,スクールカウンセラー,児童相談所,市警察署等
6 いじめの防止等に関する措置
(1) 未然防止への取組
① いじめが起きにくい学校風土,学級風土づくり(心の居場所のある学校,学級)に努め る。「子どもあるところに教師あり」子どもに寄り添った指導を常に心がける。
② 授業や行事の中で,どの児童も落ち着ける,活躍できる場をつくりだす。
ア 授業においては,言語活動を定期的に,かつ効果的に取り入れ,児童同士のコミュニ ケーション活動を通して,児童の自己有用感や共感的理解の能力を培い,自己指導 能力を高める。
イ 体験的活動を伴う行事を年間計画に位置付け,その中で児童が他者のための奉仕活動等や異年齢の児童と関わる経験を積むことにより,自己有用感を高める。
ウ 児童会活動や委員会活動を活性化し,公正公平の判断や自分と違う意見を持つ友達を認めて活動を共にすること等を通して,いじめに向かわない人格づくりをする。
③ 日頃の学級経営の中で,児童の豊かな心を育成し,心の通う対人交流の素地を養う。
ア 学級活動での話合い活動や体験活動等を児童が主体的に取り組めるよう工夫することによって,児童同士の絆を深め,かつ社会性を育む。また,児童が協力して行う活動を 工夫することによって,いじめの起こりにくい学級の環境を作り出す。
イ 障害への理解を深めるための指導や相互に互いの違いを認め合うことができる学級経 営を行うことによって,学級を児童が安心して何でも話し合える居場所にする。
④ 道徳教育の充実を図る。
豊かな情操と道徳心を培い,心の通う対人交流の能力の素地を養うため,全ての教育活 動を通じた道徳教育の充実を図る。
ア 児童が楽しみに待つような道徳の時間の在り方の研究
イ 私たちの道徳,道徳教育ヒント集,心のノート,自作教材の活用
ウ 道徳の時間を要として学校教育全体を通じて行う道徳教育の充実
⑤ インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進
ア 情報モラルに関する研修(児童向け,保護者向け)
イ 法務局又は地方法務局への協力要請(発信者情報等)
(2) 早期発見のための措置
① 「いじめ早期発見のためのチェックリスト」の活用
(学期1回 各学級,担任→教務・教頭・校長)
② 定期的なアンケート調査(隔月1回実施,各学級)
③ いじめ・不登校対策委員会での情報交換(毎月1回)
④ 定期相談〔家庭確認(4月),保護者との2者面談(夏休み),
児童との個別面談(11月・2月〕
(3) 早期解消
いじめの連絡や相談を受けた場合,ただちに被害児童の安全を確保するとともに,「いじめ・不登校対策委員会」の臨時会を開き,校長のリーダーシップの下,当該いじめに対して組織的に対応する。
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被害児童の保護
ア いじめの行為を確認した場合,いじめられている児童を守り通すことを第一とし,全職員が共通理解をもって被害者の安全・安心を確保するとともに心のケアに当たる。
イ 被害児童の保護者に速やかに連絡をとって状況の説明を行うとともに,家庭での心の ケアや見守りを依頼するなど協力して対応する。
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実態の把握
ア 被害児童,保護者,加害児童,周囲の児童等から事情の聞き取りやアンケート調査等を行い,いじめがどのように行われていたかを把握する。
③ 加害児童への対応
ア 毅然とした態度でいじめを静止するとともに,しっかりと寄り添い,社会性の向上等児童の成長に主眼をおいた指導を行うことでいじめを繰り返さないよう支援する。(決して体罰や一方的な叱責等の不適切な指導は行わない。)
イ 加害児童の保護者に速やかに連絡をとって状況の説明を行うとともに,被害児童やその保護者への対応に関して必要な助言を行う等,協力して対応する。
④ インターネットによるいじめへの対応
ア 不適切な書き込み等については内容を保全する。
イ 加害児童が特定できる場合は加害児童およびその保護者に対して不適切な書き込み等について削除するよう指導する。
ウ 加害児童の特定が困難な場合や書き込みの削除ができない場合は法務局等の協力を求める。
⑤ 市教育委員会へ報告する。
⑥ いじめを受けた児童生徒の心のケア及び保護者に対する情報提供と支援に努める。
⑦ 加害児童への再発防止指導を実施する。
⑧ 再発防止のための見守り体制を充実させる。
⑨ 重大事態への対処
・生命,心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある。 ・いじめにより相当の期間欠席することを余儀なくされている疑いがある。 |
ア 事実関係を明確にするための調査(質問票,聴き取り調査)を実施する。
イ いじめ・不登校対策委員会を開催する。
ウ いじめを受けた児童生徒及び保護者に対する調査結果の情報提供を行う。
エ 市教育委員会へ報告する。
オ いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるとき(いじめにより生 命,身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるとき)は,ただちに所轄警察署 に通報し,適切な援助を求める。
カ 懲戒,出席停止制度を適切に運用する。
キ 被害児童の心のケアと加害児童への再発防止指導を実施する。
ク いじめ・不登校対策委員会の継続事案とし,見守り体制を構築する。
(4) 関係機関との連携
市教育委員会 市家庭児童相談員 民生委員 青少年育成結城市民会議絹川支部 市要保護児童対策地域協議会 筑西児童相談所 結城警察署生活安全課 |
① 保護者
PTA行事や学年懇談・家庭教育学級等において本校の基本方針等について説明するともに,その保護する児童がいじめを行うことのないように周知を図り連携していじめの対応等を行う関係づくりをする。
② 地域
校外における児童の状況を詳しく把握するために,学校評議員,家庭児童相談員,保護者,民生委員・児童委員等との連携を密にする。
③ 関係機関
学校単独での解決が困難であると判断される場合は速やかに市教育委員会,市児童福祉課,児童相談所,警察署,法務局等の関係機関に相談する。
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学校外の団体
スポーツ少年団や子ども会,学習塾等,学校以外の場でいじめが起きた場合は,その団体の責任者と連携して対応する。
⑤ その他
いじめが複数の学校にまたがって起きた場合は,関係する学校と連携して対応する。
(5) 教職員の資質向上(職員研修)
① いじめ関係の生徒指導リーフによる研修
② 生徒指導に関する事例研修
③ 定期的な情報交換の実施
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最新のインターネット環境に関する情報収集
7 評価
(1)評価規準
いじめの実態把握及びいじめに対する措置を適切に行うため,以下の5項目に関しての評価規準を定め,適正に評価する。
① 未然防止の評価規準
ア 表現力向上を意識して,授業の充実を図ることができた。
イ 学級活動や道徳,集会・体験活動等を通して,思いやりのある心づくりを推進できた。
ウ 児童が教職員に相談しやすい関係を構築できた。
エ 情報モラル教育を推進できた。
② 早期発見の評価規準
ア いじめの早期発見に努めることができた。
イ 保護者から学校へ相談できる関係が構築できた。
ウ 複数の相談窓口を児童や保護者へ周知できた。
③ 早期解消の評価規準
ア 被害児童の心のケアができた。
イ 適切にいじめの事実を確認できた。
ウ 加害児童に対して,いじめを制止することができた。
エ 重大事態の調査をし,市教育委員会に報告できた。
オ インターネットによるいじめの対応ができた。
④ 関係機関との連携の評価規準
ア 保護者と密接に連絡を取り合うことができた。
イ 地域の協力を得ていじめの対応等ができた。
ウ 警察,児童相談所,法務局等の関係機関に相談できた。
エ 学校以外の場で起きたいじめに適切に対応できた。
⑤ 教職員研修の評価規準
ア 実践的研修を行うことができた。
イ 事例研修を通して,いじめの対応方法の共通理解を図ることができた。
ウ インターネット環境等に関する研修を行うことができた。
(2)客観的指標
各取組の前後の「児童の姿」を,次に挙げる「客観的指標」で検証し,取組の有効性を評価しながら次のサイクルに向けての行動計画に反映させる。
① 学校が楽しい
② みんなで何かをするのは楽しい
③ 授業に主体的に取り組んでいる
④ 授業がよくわかる
(3)取組の検証と絹川小基本方針の見直し
評価結果を基に,いじめ対応への取組が計画どおりに遂行されているかどうかの確認や,絹川小基本方針について体系的に見直しを行い,いじめ問題対策の総合的な改善を図る。
8 いじめ防止基本方針の見直し
いじめ防止基本方針は適宜見直し,改訂していく。
平成26年4月1日策定
平成29年4月1日改定
平成30年4月1日改訂